さくら


志信の舌が桜子の唇を舐め、また口づける。

角度を変えながら、執拗に口づける。

桜子は混乱しながら顔を背けようとするけれど叶わず、だんだん息苦しくなって、空気を吸おうと僅かに口を開けた。

その隙を見逃さず志信の舌が桜子の口内に侵入し、自由に動き回り始める。


甘くないキス

咎めるようなキス


しーちゃん、どうしてーーーーーー?


何度も志信の舌が桜子の逃げようとする舌を絡めとろうとする。

桜子が観念したように全ての動きを止めると、志信と繋がったところから水音が漏れ出した。


気がつけば、愛撫に応えようとだんだんキスに溺れていく自分がいる。


押さえつけられていた手が弛められ、桜子の両頬が志信の少し冷たい手で挟まれた。
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