こんなお葬式【長篇】
昨日初めて会ってからの、おばあさんの言動を振り返ってしまう。

懸命に生きた人生があっただろう。
想像すらつかない。

最後を迎える準備に紛争するおばあさんを見ていると、想いは哀しみを遥かに凌いでいるのがわかる。

そう、哀しみにくれている暇はないという感じだったからだ。

寿命を全うした伴侶に対して、想いの分だけ悲しむのではなく、想いの分だけ一生懸命見送る姿勢。



こんな最後もあるのだな……と、初めて知った僕。


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