こんなお葬式【長篇】
出口には、

看護婦4名。
医師1名が見送りに出ていた。

─大変やろうけど頑張ってね。

─お疲れやったね。体、気をつけてや。

看護婦から別れの言葉を貰う。
死と直面する仕事と言う意味では、同じ複雑な思いがあるだろうと思う。

いや、生から死の狭間に立ち、生を続けさせるのが仕事である彼等にとって、患者の死は僕達とは違う意味がある。

おばあさんは深々と頭を下げ、

─本当にお世話になりました。ありがとうございました。

そう言いながら、何度も何度も会釈しながら車に乗り込んだ。



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