こんなお葬式【長篇】

連れ添う

そう、関わっている「人」には未来もあり、確固たる「過去」を「心」の中に持っているのだ。

そして、僕達にとっての「死体」は身内にとっては、ついさっきまで息をしていた、若しくは側で見届ける事の出来なかった、愛する者なのである。

そういった事は、誰かに指摘されると理屈ではわかるだろう。
しかし、通常の生活の中で、人の「死」に触れる事はとても少ない。

少ないからこそ、それを仕事にした後も違和感こそあれ、やはり理屈ではない感覚を持ちつつも「慣れ」が頭の支配を優先するのである。