ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
「あれ? うさ葉、膝も擦りむいてるじゃないか」
雨瀬先輩はそう言うと、私のワンピースの裾を少し上げて、膝を見た。
「うさ葉、こっちの方がひどいじゃないか。あ、絆創膏、これじゃ小さいな」
雨瀬先輩はジーパンのポケットから真っ白なハンカチを取り出し、左膝に巻いてくれた。
そして、靴下と靴も履かせてくれた。
「とりあえず、今はこれで我慢して」
「あ、ありが……」
雨瀬先輩は私の言葉を最後まで聞かずに強く抱き締める。
「せ、せんぱい……?」
「……怖い思いさせてごめんな」
「……」
私は何も答えずに雨瀬先輩をぎゅうっと抱き締め返す。
「……うさ葉、今、質問していい?」
私はコクンッ、と頷く。
「なんでこんなところにいるんだよ? 何があったんだ?」
「喫茶店出た時に……黒うさぎのお面をつけた人に会って……追いかけられて……ここに隠れて……行ったと思ったら黒うさぎからSINE《サイン》がきてテレビ電話で話して…………」
「そうか、そんなことが……。なんで、喫茶店出た時に俺のところに来なかった? 来たら守れたのに……」
「行ける訳……ないよ……」
私の声が震える。