ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL

「――――まさか、『暴走うさぎ』になるとは思わなかったよ」

 雨瀬先輩は壁に背中を軽くつけ、私を後ろから優しく抱き締めた状態で笑いながら言う。

 私の顔が、かああああっと熱くなる。


 愛おしい時間が終わって、自分の恰好を見た瞬間、火が出る程恥ずかしくなった。

 すぐ、ブラウスを着直してボタンをかけて、桃色のリボンを結び直して、ブレザーを着てちゃんとボタンをはめたけど……。

 いつもは消極的なのに、今日は何故か積極的になっちゃった……。

 襲われた記憶を消したかったのかもしれないし、先輩と出会った場所だからかもしれない……。


「あの……」

 私は弱弱しい声で雨瀬先輩に話しかける。

「ん?」

「どうして……、ここにいるって……分かったんですか……?」

「鹿野から、うさ葉がたまたま図書館に向かって走っていくの見たって聞いて」


 そうだったんだ……。

 呼ばれたの気のせいじゃなかったんだ……。
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