ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
「俺が着いて行かなくても絶対大丈夫って言うなら、行けばいいよ。それを踏まえてもう一度聞く。うさ葉、どうするんだ?」
私はピタッと足を止めると、
「……やっぱり、やめます」
鞄を持つ右手にぐっと力を入れ、弱弱しい声で言った。
雨瀬先輩は足を止め、振り返って私を見る。
「本当は……行こうか迷ってたんです。あの夢が気になって……」
「あの夢?」
「4月の中旬頃……だったかな? うさぎパークで黒うさぎと結婚式を挙げる夢を見たんです」
「……」
何も答えずに私を真っ直ぐ見ている雨瀬先輩。
「もうあれから随分日にちたってるし、夢だから気にしなくていいと思ったんですが、やっぱり……」
――――グイッ!
私は突然、雨瀬先輩に左腕を強く引っ張られ、抱き締められた。
頭の中がパニック状態になる。
「せ、先輩……?」
「なんで今更それ言うかな。もっと早く言えよ」
雨瀬先輩が怒り気味に言うと、私の両目が潤む。
「ご、ごめんなさい……」
雨瀬先輩は、はぁ、とため息をつく。
「――――行ってきなよ」