ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
「……聞いたわ。声が出なくなったって」
絵美ちゃんは窓の外を見ながら言った。
外は雨がしとしとと降っている。
「……っ」
「つむぎと凛は普通に高校に、笠原先輩は大学に通ってるわ。でも、姉さんと笠原君と優人の弟の風我君はこの病院にまだ入院してる」
えっ……。
「風我君は元々喘息で入退院を繰り返してたみたいで、戦い後、喘息が出て肺炎まで悪化したらしいわ。姉さんと笠原君は……スマホ依存症が悪化して入院しているの」
そうなんだ……。
「笠原先輩は姉さんと笠原君のお見舞いによく来てるわ。つむぎもこの前、姉さんのお見舞いに来てくれたし。凛は風我君のお見舞いに行ってるみたい」
絵美ちゃんは、悲しげな顔をする。
「私を含め、みんな大切な人の為に戦ったのに、結局、戦う前よりも不幸になってるのはなんでかしらね……」
「……っ」
「ねぇ、野山さん。私ね、戦っている時、犬垣さんに『なんとも思ってなかった、全部嘘だった』って言ったの。でも、本当は犬垣さんのこと……」
絵美ちゃんはそう言いかけてやめる。