ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
「うさの助のことは、宇佐野先生にちゃんと許可取ってあるから大丈夫だからね! じゃあちょっと、ジュース買ってくるから、うさの助の面倒見てて」
お姉ちゃんはそう言うと、病室を出ていく。
私はまたうさの助の頭を優しく撫でる。
頭を撫でていると、うさの助とのたくさんの日々がよみがえってきた。
鼻をもんもんさせるうさの助がかわいくて、小屋からうさの助を抱き上げてちゅっと耳元にキスをした穏やかな朝。
うさの助を抱いて布団の中に寝ころがっていた携帯がなくて不安で眠れなかった夜。
家のベットに横になりながらうさの助に話しかけて、先輩のこと話したり、
みっちゃんの恋バナで盛り上がったりした去年の先輩の誕生日。
そして、ベットの上に寝転び、お腹の上にうさの助を乗せ、柚飴を取り出して見せて笑った日――……。
本当、うさの助との思い出、たくさんあり過ぎだね。
うさの助、今日、会えて本当に嬉しいよ。
来てくれてありがとう。
たくさん、話したい。
でも……。
私の目が潤む。
声が……出ないんだ……。
兎は確か……声帯ないって聞いたことがある……。
だから……、うさの助は鳴けない……。
似てるね、私達……。