ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL

「――――お久しぶりですね」

 翌日。雨瀬先輩の病室で、40代のダンディーな警官が私に向かって言った。

 椅子に座った私は軽く頭を下げる。

「元気になられて、本当に良かった。今日は雨瀬柚人君に黒うさぎの件について、いくつか伺いたい事があり、来ました」

 それを聞き、私は席から立ち上がろうとする。

「そのままで結構ですよ」

 私は椅子に座り直す。

 警官はズボンのポケットからスマホを取り出すと、録音アプリを起動させ、雨瀬先輩を真剣な表情で見る。

「雨瀬柚人君、黒うさぎのことは、いつから知っていましたか?」

「4月の中旬頃からだったと思います」

「そんなに前から知っていたのですね。黒うさぎは春宮優人だった訳ですが、春宮優人とはどのような関係で?」

「同じ高校の後輩で、大学ではピアノの伴奏も担当してもらいました」

 警官は顎を手で掴む。

「なるほど。春宮優人は普段、どのような感じでしたか?」

「ピアノ好きの真面目で爽やかな後輩って感じでした」


 私と同じ感じだ……。
< 641 / 700 >

この作品をシェア

pagetop