ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL
「――――お久しぶりですね」
翌日。雨瀬先輩の病室で、40代のダンディーな警官が私に向かって言った。
椅子に座った私は軽く頭を下げる。
「元気になられて、本当に良かった。今日は雨瀬柚人君に黒うさぎの件について、いくつか伺いたい事があり、来ました」
それを聞き、私は席から立ち上がろうとする。
「そのままで結構ですよ」
私は椅子に座り直す。
警官はズボンのポケットからスマホを取り出すと、録音アプリを起動させ、雨瀬先輩を真剣な表情で見る。
「雨瀬柚人君、黒うさぎのことは、いつから知っていましたか?」
「4月の中旬頃からだったと思います」
「そんなに前から知っていたのですね。黒うさぎは春宮優人だった訳ですが、春宮優人とはどのような関係で?」
「同じ高校の後輩で、大学ではピアノの伴奏も担当してもらいました」
警官は顎を手で掴む。
「なるほど。春宮優人は普段、どのような感じでしたか?」
「ピアノ好きの真面目で爽やかな後輩って感じでした」
私と同じ感じだ……。