ケータイうさぎと意地悪先輩。FINAL

「――――野山うさ葉さん」

「はっ、はいっ!」

 私はガタッと椅子から立ち上がり、江崎先生の前まで歩いていく。

「卒業おめでとう」

「あ、ありがとうございます!」

「辛い事、苦しい事がいっぱいあったと思う。だが、それは財産だと思え。野山さんならこの先、どんな困難にも負けずに立ち向かっていけると私は信じている」

 じわっと私の両目に涙が浮かび上がる。


 江崎先生……。

 江崎先生は男口調だし、前に雨瀬先輩の背中を足で蹴ったりとか、怖いイメージしかなかったけど、今、江崎先生が担任で良かったって心から思ったよ。


「江崎先生」

「なんだ?」

「1年間、ありがとうございました」

「こちらこそ」

 江崎先生は、いつになく優しい口調で言うと、卒業証書を両手で持ち、手渡す。

 私は両手で受け取り、席に戻っていく。
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