イジワル婚約者と花嫁契約
「そう、あいつの初恋についての調査報告書だ。これを読んで引っかかってさ。それでついでに灯里が俺達と家族になるまでのことを調べてもらったんだ」
そう説明されるも、お兄ちゃんの言いたいことが全く分からない。
それは千和さんも同じだったようで、ファイルを隣で覗き込みながらも、『分からない』と言いたそうに首を傾げていた。
「聞かなくてもいいことだと思ってずっと聞いてこなかったけど、灯里……お前の両親が亡くなった頃のこと、しっかり覚えているか?」
「――え?」
急に亡くなったパパとママの話を聞かれ、ドクンと心臓は音を立てた。
「……あまり記憶にないんじゃないか?」
探るように見つめられてしまうと、なにも言えなくなる。
だってお兄ちゃんの言う通りだから。
正直小さかったし、断片的にしか記憶にない。
優しかったふたりの笑顔とか、亡くなった時の苦しみ、悲しさとか……。
「なぁ、灯里……認めたくないけどさ、あいつは灯里のこと本気で想っているんだよ」
そう説明されるも、お兄ちゃんの言いたいことが全く分からない。
それは千和さんも同じだったようで、ファイルを隣で覗き込みながらも、『分からない』と言いたそうに首を傾げていた。
「聞かなくてもいいことだと思ってずっと聞いてこなかったけど、灯里……お前の両親が亡くなった頃のこと、しっかり覚えているか?」
「――え?」
急に亡くなったパパとママの話を聞かれ、ドクンと心臓は音を立てた。
「……あまり記憶にないんじゃないか?」
探るように見つめられてしまうと、なにも言えなくなる。
だってお兄ちゃんの言う通りだから。
正直小さかったし、断片的にしか記憶にない。
優しかったふたりの笑顔とか、亡くなった時の苦しみ、悲しさとか……。
「なぁ、灯里……認めたくないけどさ、あいつは灯里のこと本気で想っているんだよ」