お隣さんは元カレ?
「つうか、こんな所で飲んでたのかよ?」
「へ…?」
有馬の視線の先には缶チューハイが。
途端に恥ずかしくなったのか、開き直るフリをする。
「べ…別にどこで飲んだっていーでしょ?」
「あのなっ…」
その時、少しチャラそうな男2人組が、話しながら横の道を通り過ぎようとして、一旦菜実の方を見てくる。
それを見て、有馬が眉間にシワを寄せながら菜実に近づく。
「夜だし、危ないヤツらだっているんだぞ!?さっさと家帰って飲めっ!!」
怒った有馬を初めて見た菜実は驚き、思わず…。
「……はい」
と、一言。
そして有馬は空の缶をゴミ箱に捨て、袋に入ってる残りの缶を持って菜実の前に立つ。
「……帰るぞっ」
「……うん」
少しうつむいて、有馬との距離を少し開けてアパートまで歩く。