初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~
「それは……そうだけど……」
亜湖の言うことは、残酷だけど、正論だ。
言われてみれば確かにそのとおりで、なかなか反論できない自分がもどかしい。
悔しくて唇を噛みしめていると、亜湖が言う。
「あたしが言いたいのは、なにも仁菜ひとりが背負い込まなくてもいいんじゃないの? ってことだよ。百井だってバカじゃないんだし、本当にクラスに馴染みたいと思ってるなら、自分でどうにかするかもしれない。まずは百井本人の気持ちを聞いてみないと。あたしもできることは協力するし、それからでも遅くないんじゃない?」
「そ、そうかな……?」
「そうだよ。夏休み中になにがあったのかは知らないけど、今、仁菜と百井、ちょっと微妙じゃん。話をするいい機会って言ったら変かもしれないけど、さっさと仲直りしてくれないと、あたしの仁菜に元気が戻らなくて困るんだよ」
「亜湖……」
「まあ、仁菜を取られたみたいで悔しいけど、仁菜を元気にできるのも、落ち込ませるのも、百井にしかできないことだもん。この機会に放課後、ちゃんと話をしてきなよ」
「……うん、ありがとう」