初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~
半ばやけくそ気味に、息つく間もなくぶちまける。
「クラスのことだってそうだよ。百井くん、ずっとみんなに避けられっぱなしで寂しくない? つらくない? わたしはそんなの、もう耐えられない! みんなの無言の空気に抑圧されて声を上げられない自分が嫌いだし、守ってもらってばかりな自分も大嫌い。百井くんは優しい普通の男の子だもん。たとえ百井くんが自分のことをわかってもらいたいと思ってなくても、わたしがみんなにわからせてやる! もうわたし、我慢なんてひとつもしない!」
本当は、亜湖に言われたとおり、クラスのみんなについて百井くんがどうしたいのかを聞くつもりだった。
そのためにここに来た。
でも、好きなくせに泣いている実結先輩を追いかけられないことや、クラスのみんなと仲良くなりたいくせに避けられてばかりだからこっちも引いちゃう百井くんのヘタレっぷりに無性に腹が立って。
そのくせ、傷ついた顔をしながら平気なふりをしている姿に、本当は振られるのが怖かったり、また同じことの繰り返しになるんだったら余計に傷つきたくないって思うから一歩踏み込めないんでしょ、という気持ちが強まって。