ただの幼なじみじゃいられない!
足をそろりと出して、忍び足で逃げようとしたけど…。
前に踏み出した足に、なにかつっかえたような違和感を感じた。
それは、コロン…と音を立ててあたしの前へと転がっていった。
まずい…!
…や、やってしまった…。
地面に落ちてた石コロ…つま先に力が入っちゃって、爽太たちの方に転がしちゃった…!
ああ…ここにいたのがバレちゃう…。
あたし…終わった…。
いや…先にここにきていたのはあたしなんだけども。
なんともいえない罪悪感っていうか、なんか心がもやもやする感じ。
…爽太たちも、転がった石コロに気がついたみたいで。
「…ねえ、爽太…そこ、誰かいない?」
行為を中断した女の子の方が、訝しげにそう言ったのが聞こえて、あたしはびくっと肩を震わせた。