私の思い~きっかけとタイミング~
そういうと先生は一瞬黙ってしまった。

私、悪い事を聞いてしまったのかな。

「…実は、紙飛行機を投げ入れたのは、ああでもしないとこうやってあなたと話せないと必死だったんです…。」

ちょっと恥ずかしそうな声。

必死だったってどういう事?

「私、総合病院を受診した時に…。」

私がそう言いかけた時、慌てたように先生は言った。

「そうなんですよ。ちゃんと病院側であなたの連絡先を聞いていたんですよね。それに俺は全く気が付かずに、一人で焦って…。」

そして電話から溜息が聞こえた。

「今朝あなたに話しかけてから、病院に行って初めて気が付いたんです。だから…。」

先生はそこで話を切ると、一度大きく深呼吸をしたようだ。

「こちらから連絡させてもらいました。迷惑でしたか?」

突然そんな事を言われても…。

「いいえ、でも朝の事で謝るためにお電話して頂いたのですか?」
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