私の思い~きっかけとタイミング~
そう言って美紗は笑っている。

笑い事じゃないんだそ、こっちは。

「距離を感じるんだ。まだ美紗が俺のこの腕に居るのも夢みたいに感じるのに。」

「…呼べよ。」

こんな俺は美紗に情けなく映っているんでいるのだろうか。

美紗の顔が赤くなる。

「…恵太…。」

「聞こえない。」

確かに小さい声だったけど、聞こえた。

でもちゃんと聞きたい。

「もういい。」

恥ずかしいのか美紗はもう逃げている。

「呼べって言っているだろう。」

そう言いながら俺は美紗の額にキスを落とす。

「…美紗もかなり強情なんだな。」
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