私の思い~きっかけとタイミング~

恵太は井上さんのその言葉を聞くと、立ち上がった。

そして私の腕を取って、泣き止めない私を立ち上がらせる。

それから恵太は深々と井上さんに頭を下げた。

私も慌てて頭を下げる。

そして恵太は私の腕を引っ張り、個室を出ていこうとする。

「新田さん、幸せにね。」

私が個室を出る瞬間、井上さんはこう言った。

「…井上さんも。」

私は振り返って、涙でぐちゃぐちゃだった顔を向けた。

とびっきりの笑顔を乗せて。















< 258 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop