私の思い~きっかけとタイミング~
「…まさか。」

私はクスリと笑った。

恵太はソファ越しに私を後ろから包む。

「俺は美紗には嘘を言わないよ。」

そして私の首筋にキスをする。

「なあ、美紗。」

そう言われて、私は恵太を振り返る。

「俺、美紗に会えて良かった。」

ポツリと言う。

何かを言いかけた私を遮って、恵太は続ける。

「明日は美紗の身の回りの物をここに運ぼう。一登達が来る前に。だからもう寝よう。」

「うん。」

素直に頷く私。

「いつもそんな風に素直なら、俺は不安にならないんだけどな。」

恵太はそう笑いながら、私の前に回って来た。
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