隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


ケンカをしないってだけで気分がいい。



それに、ケンカという無駄な時間がなかったから、余裕の登校だ。



こんなの同居した10日間の中で初めてなんじゃない?



「茉奈ちゃん、宙、おはよう」



教室に入るなり、手を挙げて挨拶をするたっくん。



その隣で同じく「おはようっ」と笑顔で言うすみれ。



「おはよー!」



そんなふたりに挨拶を返して駆け寄った。



机の上に重たいカバンを下ろして席に座る。



そんな私に遅れて来た宙も、私の隣の席に腰を下ろした。



「おはよ」



そ、宙が挨拶した…!



珍しいことに驚いた。



学校ですみれとたっくんに自分から挨拶するなんて初めてじゃない!?



あまりにも驚いた私は、目を丸くして宙を見た。


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