隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
「なんだよ」
「いや、珍しいなって……」
「何が?」
意味がわからないというふうな顔をする宙。
「宙が自分から挨拶するなんてさ」
「悪いかよ。俺だって挨拶くらいするっつーの」
なんか…口調がいつもより優しい。
もっとね?
いつもならイラッとするような言い方するのに。
「……調子狂う」
「もしかして、本当に土曜日からケンカしてなかったりする?」
私がそう呟くと、興味深そうに聞いてきたたっくん。
「うん、してないよね、宙?」
「あぁ」
私たちのこのやり取りを聞くと、嬉しそうにたっくんが微笑んだ。
たっくんとすみれが顔を合わせて、ピースをしながら「大成功っ!」なんて言い合っている。