隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。


……宙。



〝お前がかわいくてしかたねぇから〟
〝茉奈が。お前が好きだからだよ〟



夢か現実か……



昨日聞こえた宙の声を思い出す。



たしかその前に私はこう聞いたんだ。



〝なんで、そんなに優しいのさ。いつもムカつくことしかしなかったくせに〟



しばらく答えは返ってこなくて……



その後に聞こえたのはあの言葉だった。



夢か現実かわからない宙の言葉。



今なら夢の中のありえないことだと思うけど……



胸の奥がキュンと音を立てて、体がボッと熱くなる。



「茉奈ちゃん?どうしたの?」



「な、なにもっ!?」



やばい、声が裏返った……



いけないと横を見ると、すでにもう時は遅し。



隣には小悪魔すみれがいた。



ニヤニヤと笑みを浮かべて、私を見る。



「碓氷くんと何があったの?」



「何でもないからっ!」



こんなの夢でも現実でも、すみれに言ったらおわりだよ。



あとからふたりに何をされるかわからないんだから。


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