隣のアイツは、溺愛俺様ウソ彼氏。
なんか悔しくて、人参の皮をとにかく剥きまくる。
「茉奈、おい茉奈!いつまで剥いてんだよ。食べるとこなくなんだろ」
「へ?」
いつの間にか人参が宙から受け取った時と比べて半分くらいの大きさになっていた。
「ごめん……」
「やっぱりお前はソファーに座って待ってろ」
「…わかった」
悔しいけど、なんか邪魔なだけかもしれない。
私が人参一本の皮を剥いている間に、宙はもうすべての具材を切り終えていた。
「あ、その前にこの床に散らばったもの片付けろよ」
「散らばったものって…」
自分の周りを見渡すと、オレンジ色のものがそこら中に散らばっていた。
「これ…」
「お前が剥いた人参の皮だよ。本当下手くそだな、お前」
うそ……
本当に私、不器用かもしれない。