婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「圭司。これ」
シャワーから出たなつは、圭司に封筒を手渡した。
「何これ?」
「約束の100万だよ」
なつが答えると、圭司は「ああ」と呟いて苦笑いを浮かべた。
「俺が一晩で100万もするわけないだろ? なつが諦めると思って言ったのに本気にして付いてくるんだもんな。参ったよな」
「じゃあ、ほんとの値段はいくらなの?」
「いやいや。そもそも俺は客と寝ないから」
「えっ?」
なつがキョトンと首をかしげる。
「全く…。どうせ拓哉にでも吹き込まれたんたろうけど、俺は金で体を売ったりしないから。だから、なつからもお金は受け取れない」
キッパリと圭司はなつに言い切った。
「じゃあ………ホテルで一緒にいた人は?」
なつは気になっていた疑問を口にした。
「ホテルで? ああ、ゆかりのことか。あの子は客じゃないよ。ホテルのレストランで一緒に食事しただけだから。完全にプライベート」
「そっか……そうだったんだ」
なつは複雑な心境になった。
圭司が体を売っていなかったことにはホッとしたが、プライベートで一緒にいた【ゆかり】のことが気になってしまった。
「じゃあ……どうして私を抱いたの?」
なつがいきなり核心をついた。
少しの沈黙の後、圭司は真剣な顔で口にした。
「今でもなつを愛してるから」
それは、なつが何より欲しかった言葉だった。
「圭司!!」
なつは圭司の胸に飛び込んだ。
けれど、圭司が次に口にした言葉は、なつを悲しみのどん底へと突き落とすものだった。
「でも、ごめん。今度こそ終わりにしよう。もう、俺のこと忘れて欲しい」