婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「じゃあね、なっちゃん。ごちそうさま」
拓哉はなつのいるキッチンに入っていった。
「拓哉さん、もう帰っちゃうんですか?」
「うん。響さんが怖い顔してるからね。早くなっちゃんと二人きりになりたいんだって」
拓哉がなつの耳もとで囁いた。
「もう…拓哉さんたら」
なつは頬を赤くして恥ずかしそうに俯いた。
そんななつを拓哉は真っすぐに見つめた。
「なっちゃん。今度こそ響さんに幸せにしてもらいなよ。俺、なっちゃんの泣いた顔はもう見たくないからさ」
「うん。拓哉さん本当に色々ありがとね」
なつはにこりと笑って、拓哉の目を見つめ返した。
「あのさ……。俺………なっちゃんのこと本気で好きだったんだ」
「えっ?」
目を丸くするなつに拓哉は切なげに言う。
「だから、最後に思い出だけちょうだい」
拓哉は身を屈めて、なつの頰にチュッと口づけた。
と、その瞬間、
「何してんの」
背後から圭司の低い声がした。
圭司は怒りに満ちた顔で、拓哉を鋭い目つきで睨んでいた。
「やばっ!まじで殺される!」
拓哉はブルッと震えながら、玄関に向かって逃げ出して行った。