婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~
「っとに、あいつは」
圭司はマンションに帰ってからも、拓哉さんの悪口をいつまでも言っていた。
「そんなこと言いながら、帰りかげにこっそり高いお酒頼んであげてたよね? 拓哉さんへのご祝儀だとか言って。ホストの人達、そのお酒一揆のみしながら盛り上がってたけど」
ニヤリと笑うと、圭司はバツの悪そうな顔でベッドに横たわった。
「仕方なくだよ。あいつがNo.1にならないとなつが悲しむだろ?」
「も~素直じゃないんだから」
クスッと笑いながら圭司の横に寝転んだ。
「ねぇ、圭司…?」
「ん?」
「昨日のことだけど。私、めんどくさい女だったよね? ごめんね」
「いや、俺こそ言い過ぎたよ。ごめんな。もう、なつを不安にさせないようにするからさ」
「ううん。私が悪いんだよ。きっと、こんなんだから、内定だってもらえないんだよね。つくづく未熟だって思い知らされるよ」
「なつ……」
圭司が心配そうに見つめる中、思わず弱音を吐き出してしまった。
「私……どうしてこんなにダメなんだろう」
圭司はそんな私の髪をそっと手で撫でながら、柔らかい口調で口にした。
「なつはさ、受ける会社の業種もバラバラだし、マニュアル本に頼り過ぎだよね? それって、まだ本当にやりたいことが見つかってないからなんじゃないかな? 焦らなくていいからさ、どんな自分になりたいのかをもう一度よく考えてごらんよ。別に俺は、このまま俺の奥さんだけをやっててくれても嬉しいけど、なつにはまだまだ可能性だってあるんだから、やりたいことを思い切りやって欲しい」
圭司は優しく微笑みながら、チュッとおでこにキスを落とした。
「ありがとう………圭司」
私を温かく包んで導いてくれる圭司。
心がスッと軽くなり、力がわいてきた。
「うん。やっぱり仕事は頑張ってみたいと思う。圭司に負担かけちゃうかもだけど、ちゃんと夢が持てるものを見つけたい」
「それでいいと思うよ。頑張れ!」
「うん!圭司、大好き!」
私は圭司の体に勢いよく抱きついた。
「じゃあ、もう、これで仲直りだな」
「そうだね。あっ、圭司のポケットは、余計なものが入らないように糸で縫いつけといてあげるからね」
そんな私の冗談に、圭司はふっと笑いながら、今度は深く口づけたのだった。
[完]


