婚約者はホスト!?①~永遠の愛を君に~


「っとに、あいつは」

圭司はマンションに帰ってからも、拓哉さんの悪口をいつまでも言っていた。

「そんなこと言いながら、帰りかげにこっそり高いお酒頼んであげてたよね? 拓哉さんへのご祝儀だとか言って。ホストの人達、そのお酒一揆のみしながら盛り上がってたけど」

ニヤリと笑うと、圭司はバツの悪そうな顔でベッドに横たわった。

「仕方なくだよ。あいつがNo.1にならないとなつが悲しむだろ?」

「も~素直じゃないんだから」

クスッと笑いながら圭司の横に寝転んだ。

「ねぇ、圭司…?」

「ん?」

「昨日のことだけど。私、めんどくさい女だったよね? ごめんね」

「いや、俺こそ言い過ぎたよ。ごめんな。もう、なつを不安にさせないようにするからさ」

「ううん。私が悪いんだよ。きっと、こんなんだから、内定だってもらえないんだよね。つくづく未熟だって思い知らされるよ」

「なつ……」

圭司が心配そうに見つめる中、思わず弱音を吐き出してしまった。

「私……どうしてこんなにダメなんだろう」

圭司はそんな私の髪をそっと手で撫でながら、柔らかい口調で口にした。

「なつはさ、受ける会社の業種もバラバラだし、マニュアル本に頼り過ぎだよね? それって、まだ本当にやりたいことが見つかってないからなんじゃないかな? 焦らなくていいからさ、どんな自分になりたいのかをもう一度よく考えてごらんよ。別に俺は、このまま俺の奥さんだけをやっててくれても嬉しいけど、なつにはまだまだ可能性だってあるんだから、やりたいことを思い切りやって欲しい」

圭司は優しく微笑みながら、チュッとおでこにキスを落とした。

「ありがとう………圭司」

私を温かく包んで導いてくれる圭司。
心がスッと軽くなり、力がわいてきた。

「うん。やっぱり仕事は頑張ってみたいと思う。圭司に負担かけちゃうかもだけど、ちゃんと夢が持てるものを見つけたい」

「それでいいと思うよ。頑張れ!」

「うん!圭司、大好き!」

私は圭司の体に勢いよく抱きついた。

「じゃあ、もう、これで仲直りだな」

「そうだね。あっ、圭司のポケットは、余計なものが入らないように糸で縫いつけといてあげるからね」

そんな私の冗談に、圭司はふっと笑いながら、今度は深く口づけたのだった。




[完]


           
< 87 / 87 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:45

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

こじらせカップルに愛の手を
  • 書籍化作品

総文字数/34,885

恋愛(純愛)33ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
この作品は『イジワル上司の甘い独占欲』の原作になりますが、佐伯のスペックが【上司】ではなく【同期】という設定になりますのでご注意下さい。 また、ストーリーは変わっていませんが、編集、加筆前の為、文字数が3万字と短くなっています。 加藤美海(かとうみう)29歳 文具メーカーに務める恋に鈍感なアラサーOL 佐伯郁斗(さえきいくと)29歳 美海の同期で営業第一部のチームリーダー 社内の抱かれたい男NO.1 美海にとって佐伯は、入社当時から何かと張り合ってきたライバルだった。 それなのに ある日、二人で飲んでいたら 何故か甘い雰囲気に… そして、体の関係を持ってしまった二人 鈍感女VSあまのじゃく男 この『こじらせカップル』の恋の行方へは!? ガオナデさん 素敵なレビューをありがとうございました。 2017.8.17  Berry,s cafe特集「オフィスラブ 同僚編」 に掲載して頂きました。 ありがとうございましたm(__)m
バカで可愛い俺の彼女

総文字数/64,059

恋愛(ラブコメ)63ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
社内一モテる私の同期、夏木海斗に 社内一可愛い受付嬢が告白していた。 柱の影から、祈るような気持ちで見守る私 だって、彼は私の想い人だから… けれど、聞こえてきたのは想定外の答え。 夏木にとって私って、一体何ですか?      沢本 理沙 24歳         ×         夏木 海斗 24歳  
甘くて苦い恋をした

総文字数/80,766

恋愛(純愛)74ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
高本沙耶(たかもとさや)23歳 入社二年目のこじらせ女子 沙耶は会社の先輩、加瀬悠真に恋をしている。 春に彼の担当を外れることになり 勇気を出して告白しようと決意するが 強がりで素直になれない性格が邪魔をして 結局、思いを伝えることはできなかった。 そんな中、新人のアシスタント坂口彩芽が 彼を狙っていることに気づく。 嫉妬するばかりの毎日だったけど そんな沙耶にも急展開… 「キスして下さい…」 酔った勢いで言った一言が 甘くて苦い恋の始まりだった。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop