太陽に恋をして

「これ、今日お客さんにもらったチョコレート」


楓佳の部屋に入り、紙袋を渡すと、楓佳は嬉しそうに紙袋をのぞきこんだ。


「え?なんで?他にもなんかいっぱい入ってるよ?」


「今日、バレンタインだから」


「そっか。そう言えば今日はバレンタインデーだったね」


チョコが大好きな楓佳は、紙袋の中身を全部だしてひとつひとつ眺めながら、にやにやとしている。

中学生くらいからか、こうしてバレンタインデーにチョコをもらうようになってから、もらったチョコは楓佳と二人で食べるようにしている。

俺にとって、楓佳以外からもらうチョコなんて意味がないし、かといって捨てるのも忍びない。

こうして二人で食べると、チョコが好きな楓佳は喜ぶし、楓佳が喜ぶと俺も嬉しいから、あげた人もきっと報われるはずだという身勝手な解釈で、今やもう毎年の恒例行事になっている。


「はい、ミルク」


チョコには絶対にミルクだと信じている楓佳は、当たり前のようにキッチンからミルクがなみなみと入ったマグカップを持ってきた。



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