好きになった相手には大体相手がいるんです
私はソファーから飛び起きると慌ててバッグをさばくり

相手が誰なのかも確認せず電話に出た。

「もしもし」

「詩真?・・・私」

あっ・・・

恋愛疲れさせた?・・希からだった。

「どした?」

「ん?雅臣って帰った?」

今頃何言ってんの?と言いたい気持ちを抑えた。

「とっくの前に帰ったけど・・どうした?」

「・・・うん・・」

何だか歯切れの悪そうな言い方になんだか嫌な予感がした。

「何?何かあったの悠木君と・・」

ヨリを戻すとか?だったら今日の私はまさに天国と地獄じゃない!

だが希から出た言葉は意外な言葉だった。


「実はさ・・・別れてもいいいって言われたの」

「ふぇ?」

お得意の変声だ・・・いつもなら希はこれで笑うのだが今日は笑い声もなしだった。

「たった今ね、電話があって・・こんな状態じゃお互い先に進めないから
 って言ってね・・・あんなに渋ってたのに・・・だから何かあったのかなって」

んんんん?おかしいぞ
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