愛は呪縛


 大輝くんを思いながらベッドの中で泣いてしまった。

私に覆いかぶさっていた影は彼じゃないのに。

不器用だから、こんな場面じゃないと私は素直に涙を流せないみたいで。


「ごめんね、お姉さん。痛かった…?」


「へ、いき…」


こんな不安定な私を気づかってくれる、隣に横たわる彼。

最中に私が何度「大輝くん」て呼んでも優しくキスしてくれた。


「あり、がとう…」


掠れた声で言えば、彼は懐っこく笑った。

綺麗な子。

同い年くらいかな?

ふわふわの茶髪が可愛い。

なんだか撫でてみたくなって、そっと手を伸ばした。


「ん、くすぐったい」


また、笑う。

大輝くんとは違う笑顔。

大輝くんの笑顔が少年みたいなら、この人の微笑は大人びてる。

「ねえ、お姉さん」

「なに…?」

「俺ね、お姉さんのことすごく気に入っちゃった」


< 8 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop