ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
はじめての反省
留置場…
初めてでは無い。
ガキの頃、この場所に入れられ少年院に送られた事がある。

『高島!調べだ、こい!』
あのよっぱらい刑事だ。
薄暗い取り調べ室。
刑事は煙草を出した。『一服すっか…』
一本貰った。
『どっから入れてる?横浜か?ん?…大体わかってんだよ!』
『…』
『もうちっと泳がしとこうと思ったけどよ…あの単車のやろうはだれだ…?和人の野郎と付き合いあるみてぇだな…』

ぼくは偶々知らない外人に頼まれただけだ!とひたすら頑張った。白々しいが唱う訳にはいかない。

取り調べは毎日続くがとことんシラを切り通す。

丁度10日目。
弥生が面会に来た。
二回目だ。

着替えを持って来てくれる。

思えば弥生にヤバいよ、と言われていたのに…
何故か弥生は来る度に泣く。


小学5年の時だったろうか…

『幸子!謝れよ!』
6年生達に囲まれている。
1人女の子も混ざっていた。
その女の子が好きな男子に幸子は告白されたらしい。
断ったらしいが。

典型的な金持ちのお嬢様だ。
周りの男子からも人気があった。

『幸子…』
廊下に正座させられ、頭を下げさせられている。

幸子は悪く無いだろ…
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