いけてない私の育てかた
「早乙女さん?

大丈夫?」

はっ、私ったらせっかく佐藤くんとこうして出掛けてるのにボーッとしちゃ失礼じゃない。

「いえ、大丈夫です。

あっ、大丈夫。」

今日迎えに来て最初に佐藤くんに言われたのは絶対敬語を使わないだ。

「クスッ、今のはおまけしてあげる。

次やったら罰ゲームだからね。」

爽やかな笑顔の佐藤くんだけど、言ってることは怖いんですけど。


「それじゃあ、早乙女さん何処か行きたい所ある?もちろんまだ行ったことない所ね。」

そうなのだ、佐藤くんは何故か私の初めてを一緒に体験したいらしい。


「んー、遊園地とか水族館、動物園……、あっでもこれは家族と行ったことあるけど家族とでも無しなのかな?」

「そうだね。純粋に早乙女さんが初めての所がいいね。」

その事は昨日の夜のうちに考えてみた。私が今まで行ったことない所、

「それなら、ボーリングとプラネタリウムと……。」

あと1つあるんだけど、さすがにこれはちょっと言いにくいのよね。そりゃーもし言ったとして佐藤くんがそこに行くなんて言わないと思うけどでももしもってこともあるし。

「あとなに?

まだあるでしょ。」


す、鋭い。


「ディズニーシー」


「あー、ランドには行ったことあるの?」

「うん、両親に小さい時連れて行ってもらったの。」


「そっかぁー、でも今日今からじゃシーはきついよね。それならシーは今度にしてきょうはボーリングとプラネタリウムね。」


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