不順な恋の始め方
譲が答えてくれるまでの間が、私には何十秒にも、何分にも感じる。
それほど、待ち遠しくって、ドキドキした。
「……そんなん、変なわけあらへんやろ。可愛すぎるくらいやで、自分」
「な……っ!」
譲からの答えは、期待していたもの……いや、それ以上の答えで。
私の心臓はドクン、ドクンと大きく、苦しいほどに波打った。
「あー、どないしよ。俺ちょいとラフすぎるやんな? もっと気合入れた方がええよな?」
「え?」
「あんまり自分可愛ええで、もうちょいかっこようせな他の男になめられるでなあ……男って大変やねんで?意外と」
ほな、着替えてくるわ。とリビングを去ろうとした譲は確かにジーンズに白いTシャツというラフな格好。
しかし、それすら高いブランドものを着こなしているように見えるほどのスタイルとルックスの持ち主で、私はそんな譲の格好が好きだし、何より……
「……ゆ、譲!いいよ!そのままで!そのままで行きましょうよ!」