不順な恋の始め方
ガチャン
「はぁ」
涼ちゃんのカフェから家へと真っ直ぐ帰ってきた私は、扉を閉めるとその場にぺたりと座り込んだ
そして、お腹の辺りに両方の手のひらを当ててみる。
「ここに、いるんだ」
こうしてみると……本当に少しではあるけれど、不思議と実感が湧いてくる。
飲み会のあと、坂口先輩と関係を持ってしまったあの日。
あれから、いつもは決まった予定日に来ているはずの生理が来なくて不安だらけだった毎日。
そして………妊娠が発覚した、今日。
不安だらけだった毎日も、今も、間違いなくこの子はココに居て。
私の中で生きているんだ、と思うとどうしても湧いてきてしまう母性。
元々、結婚願望と共に子供が欲しいという願望も人より強かった私。
そんな私の中に、授かる事が出来たのだ。
でも、私が望んでいた平凡で普通な〝妊娠〟とは全くもって違う。
ああ、神様はなんて意地悪なのだろう。
……なんて、神様のせいにしようとしたけれど、間違いなくこれは〝自業自得〟だということくらい私が一番分かっている。