不順な恋の始め方
私が席に着いたとほぼ同時に、扉の開かれる音と共に聞こえてきた声
それに私の身体はビクリと反応し、それから、硬直した。
「あ、坂口さんおはよーす」
「おはようさん」
「あ。坂口さん、坂口さん」
どうやらオフィスへと入ってきたらしい坂口先輩と、いつものようにそんな坂口先輩へと群がる数人の後輩達
坂口先輩は、正直かなり慕われているし好かれてもいると思う。
それは、後輩から上司、男子から女子まで幅広く。そして、いろんな意味で。
私は、ふうと深呼吸をして硬直した身体をほぐすとパソコンのキーボードに両手を置いた
「よし。集中、集中」
自分自身へと呪文のように唱えるけれど、頭の中は坂口先輩のこととお腹のことでいっぱいだ。