不順な恋の始め方

私はそれをぎゅっと握りしめて、持つべきものは良い後輩だなあ。なんて呑気に考えた。

しかし、こんな後輩の優しさが熱や頭痛を和らげる…なんて、まるで夢のようなことはなく先程よりも酷くなる頭痛


ひどい目眩と頭痛、それから身体のダルさに襲われた私は立っていられずについしゃがみ込んでしまった


「え、せ、先輩!?」

「ごめ……大丈夫」


〝大丈夫〟なんて口先だけで、もう既に意識が朦朧とし始めている


ここで意識を失うわけにはいかない。

バレてしまわないように、なんとか家まで帰らなければ………




「も、森下先輩!しっかりしてください!だ、誰か!!先輩が───」




必死に足掻いて、必死に意識を集中させようとは思ったけれど、そんなものは無意味でしかなくて。

すぐ側で私の体を支えている菅ちゃんの声は、突然プツリと消えてしまった───。


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