不順な恋の始め方

受け取ったトレーの上から漂ってくる、美味しそうな香り。その香りに私はついぼうっとしてしまう

だって、こんな手料理実家に帰った時くらいしか食べられないもの。


「……って、そうじゃなくて。一体これどういうことですか」


ハッと我に返った私の一言に坂口先輩は顔色ひとつ変えずに微笑むと、私に近寄り目の前へと立った


「森下さん、料理せえへんやろ?」

「え、はい……?」


突然すぎる坂口先輩の言葉に、私は頭上へ沢山のクエスチョンマークを浮かべる

確かに、料理は全くと言っていいほどしない。いや、出来ないと言った方が正しいだろうか。


でも、何故今そんな質問を?

大体、私のした質問には答えないの?


全く読めない坂口先輩の考えに、私はただ混乱するしかなかった

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