罪づけ
私たちふたりの間にはいつだって、幸福と不幸が共に存在していて。笑っていても、どこかで不安に思っていた。
それは誰かに知られることや、終わりがくること。たくさんつきまとっていた。
そしてその中でなにより怯えていたのは、相手が自分と関係を持ったことを後悔しないだろうかということ。
そう。私を苦しめてきたのは、彼という存在じゃない。彼と慈しんできた想いでもない。
その、彼との関係性だった。
私はそのことに、ようやく気づいたの。
透吾が顔をくしゃくしゃに歪めた。首をやるせなさそうに振る。
「……う、」
「え?」
「違うんだ!」
私の体が熱に覆われた。
息苦しくて、なにが起きたか一瞬わからなくて。だけど耳元で聞こえた吐息に抱き締められていることを自覚した。
「違う、違うんだよ。嘘じゃなかったんだ」
「なに、どうしたの、」
「愛が好きだ」
その言葉に私は表情を固まらせ、そして彼と同じように歪ませた。
どんな時でも心から信じきることができなかった言葉。初めて胸に広がって、じわりと染み渡る。
「本当に大切で、愛しているんだ。本気で愛を想っていたんだ」
「うん……っ」
「ふたりとも、愛していたんだ」
世間からすれば、透吾のこの発言は最低だと言われるのかもしれない。
中途半端で、どちらも傷つける。
どうしたって報われない。
だけど、私は嬉しい。本当に、嬉しいのよ。