【完】いいかげん俺を好きになれよ

駅ビルのタワレコに着くと、2人して真っ先にシマシマ(バンド)のニューアルバムに飛び付いた。



「お、ちゃんと二枚あんじゃん」


「っていうか二枚しかないよ」


「仕方ねぇよ、大御所じゃねーんだから」


「発売日なのにね〜」



どうやらそこまでメジャーでもないシマシマのアルバムは、そんなに枚数置いてないみたい。


そこがまたファンとしては自分だけが知ってるみたいな気分になるんだけどね(笑)



「美優も買うの?」


「買うっ!買いますとも!!」


「じゃあハイ、」



アユがあたしのぶんのアルバムを手渡した。


貴重な初回限定盤はこれで売り切れ、だったりして。



「もしかして売れちゃったのかな?

少ないってことは」


「…だったらいいけどな」



…あ、笑った。



なんか久しぶりにアユの笑った顔を見た気分になる。


別に笑わないわけじゃないんだけど。


アユは学校だったりみんなといるときは、たいていふてぶてしくて意地悪だから。



でも、二人きりのときは案外そうでもない。


だからムカつくと思いながらも仲良しでいられるんだけどね。


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