嘘つきなポーカー 2
そこには殺風景な景色が広がっていた。
だだっ広い部屋には、ベッド、ソファ、机などの必要最低限のものしか置かれていない。
この広くて豪華な部屋にはもったいないぐらい、部屋には何も無かった。
薫は上半身裸姿でベッドの上に横になっていた。
そのあまりに色っぽい姿に、由佳の鼓動が一気に速くなった。
薫はチラッと由佳のほうに目をやったが、何も反応することなくまた目を閉じた。
最近の薫は自分に対して冷めている気がして、由佳は少し胸がチクリとする。
「…大丈夫?」
由佳は恐る恐る尋ねると、薫は口を開いた。
「…匠か?」
「え?」
「ここ教えたの。」
「…うん。マフラー届けてって。…あとは、ちょっと様子でも見に来ようかなって。」
「…ふーん。」
「迷惑…だったかな。」
「…いや。」
薫はそう呟くと、布団を深くかぶって由佳に背を向けた。