嘘つきなポーカー 2


「そっか。」


薫はそう言って優しく笑った。
由佳の目が腫れている理由なんて、薫だって分かっているだろう。

由佳の目にじんわりと涙が滲んだ。


「何泣いてんの。」


そう言って笑う薫に、由佳はぶわっと涙が溢れ出した。


「だって、嫌われたかと思ったんだもん…ヒック…」

「あんなんで嫌わねぇよ。」

「でも昨日の小野寺薫、すごく冷たかったから…」

「そんなことねぇって。ほら、学校行くぞ。」


薫は笑いながらそう言った。

薫の眼差しは昨日の冷たい眼差しからは想像もつかないほど優しく、由佳は安堵の涙を流さずには居られなかった。


まるで昨日の出来事が嘘のように、薫は何事もなく隣で笑っている。


薫に聞きたいことはたくさんあった。


だけど今はそれを聞く時ではないと、由佳は薫の暖かい眼差しを見て、そう思った。











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