嘘つきなポーカー 2


手渡された写真を見て、由佳は一瞬固まった。

そこには、由佳の知らない中学時代の薫の姿があった。


「噂には聞いてたけど…小野寺くん本当に銀髪だったんだ…。」


写真を見ながら、華代は目を丸くした。

そう、そこには鋭い目つきをした、銀髪の薫の姿があったのだ。

今と変わらない整った顔立ち。
だが今と違うのは、こちらを見る薫の瞳が光を失ったように曇っていることだ。


「そうそう、本当に銀!最初見たときはびっくりしたわ。」


奈津子はそう言って笑う。


「髪型もだけど、当時の薫って性格もなんかトゲトゲしてたよなぁ。」


奈津子に続いて、和也も笑いながらそう言った。


「そう、誰も寄せ付けないようなオーラ放ってたよねー。」

「まぁ、不良だったしな。」


そう言って笑い合う奈津子と和也を横目に、由佳は薫の写真をじっと見つめていた。

由佳は何故かその写真から目がそらせなかった。


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