嘘つきなポーカー 2
「おい、そんな見るなよ。」
じっと薫の写真を見つめている由佳に気付いた薫が、由佳に向かって不機嫌そうにそう言った。
「あれー?由佳、薫がかっこよすぎて目がそらせないの?」
奈津子は茶化すようにそう言った。
「違っ…ただ…私も本当に銀髪だったんだって驚いてただけで…」
「えー本当?」
取り乱す由佳に、華代も面白そうにニヤニヤと笑いながら尋ねる。
そうか、みんなは知らないのか―――…。
由佳は思った。
ここに居るみんなはおそらく、薫が何かを抱えていることを知らない。
だから、昔の薫を見ても特に違和感を感じないのだ。
だが由佳は違った。
不良だった頃の薫。
何かを抱えたまま、もがいていた薫の姿。
松本先生から話を聞いたからだろうか、由佳には写真に写る薫の目が死んでいるように思えた。