嘘つきなポーカー 2


何故か由佳たち5人は、和也の家の近くの浜辺に居た。


―― どうせなら、浜辺で朝焼けをバックに撮りたいよなぁ!?


事の発端は、和也のこのような発言による。
そしてその発言に乗った奈津子により、それは決定事項となってしまった。

 
「うおおおー!水超冷てぇーー!」

「ヤバーい!死ぬ死ぬ!」


海を見るなり、靴と靴下を脱いで砂浜を駆け抜け、そして水の中に入っていく和也。

そして楽しそうにそれに続く奈津子。


「当たり前だろ…今3月だぞ。しかも深夜。」


真冬の海ではしゃぐ2人を眺めながら、薫が呆れたように呟く。


「でも、小野寺くんも実は楽しんでるよね?」


ニコっと笑いながら華代はそう言うと、「私も行こーっと。」と楽しそうに呟いて和也と奈津子のもとへ走って行った。


「…みんな元気だね。」


由佳は薫に向かって苦笑いする。


「元気っつーか、アホだろ。」


薫は呆れたように呟いた。



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