嘘つきなポーカー 2
「どうかした?」
由佳が不思議そうに薫に尋ねる。
「いや…お前、笑うようになったんだなって。何か感動した。」
薫はそう言った。
「何さ…私だって笑えるし…ってか!小野寺薫だってあの銀髪の時の写真、すんごい冷たい目してたじゃん。」
由佳がそう言って目をそらすと、薫は呟いた。
「あぁ、確かにあの頃は全てを恨んでたな。」
「……そうなんだ。」
何を、どうして恨んでいたの―――?
そう言いたい気持ちを、由佳はぐっと飲み込んだ。
薫が自分から話してくれるまで、何も聞かないと決めたのだ。
「でも、今はそうでもなくなった。…多分、楽しいんだな。」
「え…?」
薫の口からこぼれた予想外の言葉に、由佳は耳を疑った。
「楽しいよ。いつまでもこの時が続けばいいと思ってる。」
「小野寺薫……。」