王様とうさぎさん
 


「約束ですから、ついて行きますけど。

 ついて行くだけですからねー」

 日曜日。
 車の中で莉王がそう繰り返すと、允は、しつこい、と言った。

「大丈夫だ。
 わかってる」

「本当ですか?」

 式の日取りの打ち合わせに来いと及川たちに言われ、結局、莉王は允の実家へと向かっていた。

 潮に行った台詞ではないが、本当に猛烈に流されている。

 だが、今日行って、仕事があるので、結婚はもうちょっと先で、と言うつもりだった。

 そうすれば、見合いはとりあえずなくなるだろうし。

 ちょっと時間稼ぎもできる。

 その間に、允がなんとかするだろう。

「付き合うの、今日までですからね」

 わかったわかった、と允は全然聞いていない口調で繰り返す。

「……花さんと見合いすればいいじゃないですか」

 ぼそりとそうもらすと、
「世話になってる及川さんたちに勧められたら、花さんだって断りづらいだろう」
と允は言う。
< 239 / 508 >

この作品をシェア

pagetop