王様とうさぎさん
「約束ですから、ついて行きますけど。
ついて行くだけですからねー」
日曜日。
車の中で莉王がそう繰り返すと、允は、しつこい、と言った。
「大丈夫だ。
わかってる」
「本当ですか?」
式の日取りの打ち合わせに来いと及川たちに言われ、結局、莉王は允の実家へと向かっていた。
潮に行った台詞ではないが、本当に猛烈に流されている。
だが、今日行って、仕事があるので、結婚はもうちょっと先で、と言うつもりだった。
そうすれば、見合いはとりあえずなくなるだろうし。
ちょっと時間稼ぎもできる。
その間に、允がなんとかするだろう。
「付き合うの、今日までですからね」
わかったわかった、と允は全然聞いていない口調で繰り返す。
「……花さんと見合いすればいいじゃないですか」
ぼそりとそうもらすと、
「世話になってる及川さんたちに勧められたら、花さんだって断りづらいだろう」
と允は言う。