王様とうさぎさん
 だけど、允のそんなところは嫌いではない。

 策略ばかり巡らせている人間より、余程いい。

「でも、お前のことを好きかな、と思った瞬間はあったんだ」

 そんな驚くようなことを允は言い出す。

「いつ?」
と訊いたが、

「……教えない」
と言う。

「そのときだけ好きだと思ったの?」

「いや――
 さっきも思った。

 今も好きかもしれない。

 さっき、忍を殺してやろうかと思ったから」
と言う顔が少し由莉子さんと似て見えて笑ってしまう。

 由莉子さんも太郎さんが浮気とかしたら、殺しそうだ、と思っていた。

 カメに入った酒でべろべろに酔わせてから。

 駄目だ。

 ヤマタノオロチから頭が離れない。

 しかも、オロチがスサノオを退治しちゃってるし。

「なにが可笑しい」
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