王様とうさぎさん
「ごめんなさい」
と言い、その場に手をついて謝ろうとすると、允が腕を掴む。

 よろけて允の膝の上に座り込んだ。

 そのまま、彼を見つめる。

「……忍が好きなのか?」

「そんなわけない」

 ほんとに清香さんに乗っ取られただけ、と告げる。

「でも、乗っ取られたのは、清香さんの心がちょっと読めて、忍さんが可哀想になったから」

 允は手を離し、溜息をつく。

「そういう同情はよくないだろう。

 お前、どうせ、今、俺に優しくしてくれてるのも同情だろう」

「わからない。

 でも、允さんは、私のこと、好き?

 都合がいいから結婚しようとしてるとしか思えなかったんだけど」

「最初はそうだったかもしれない。

 なにも考えてなかったから」

 確かに。

 ほんとに、なにも考えてなさそうだなあ、と思う。
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