王様とうさぎさん
「はい、じゃあ、そこまででっ」
と由莉子の声がした。

 ええっ!?
と見ると、襖が開いていて、由莉子と、少し慌てた様子の忍が立っていた。

 どうやら、忍が先に盗み聞きしていて、後から由莉子が現れて、襖を開けたらしいと気づく。

「大事な嫁入り前の娘さんをお預かりしているんだから、この辺で。

 っていうか、此処、ご先祖様に見張られてますからねっ」
と由莉子が並ぶ位牌を指差す。

 お母さん、お位牌、指差しちゃ——

 っていうか、もしかして、そのために、花嫁の間って此処なのか?

「はい、みんな、寝て。

 明日も早いわよ」
と允も忍も追い払われる。

 最後に襖を閉めた由莉子がこちらを振り返り、にんまり笑った。

 なんだろう。

 果てしなく、はめられた感じがするのは。

 きっと、気のせいではない……。
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