王様とうさぎさん



「せーのっ」
と声が聞こえた。

 眠っていた莉王は、いきなり、何処かへ身体を放り投げられる。

 うわっ、と慌てて手をつこうとするが、そのまま、無様に畳の上に落下した。

「も、なにっ」
と顔を上げると、真人が敷き布団を手に笑っていた。

「おはよう、王様。
 遅刻するぞ」

 それはさっきまで、莉王が寝ていた布団だった。

「ちょっと真人っ。
 やっていいことと、悪いことが——っ」

「いつまでも、ぐーたら寝てるからだよ」

 腕を組み、偉そうに語る真人は、昨日最初に撃沈した男ではないか。

「あんたは、早くから寝てたでしょーがっ」
と言ってるうちに、やってきた允がさっさと布団を畳んで片付けてしまう。

 それを見ていた忍が、
「嫁失格だねえ」
と呟く。
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